レジストリ特化型 臨床研究データ収集システムです。安価で、実用的な、レジストリに特化したデータ収集システムです。多施設での臨床研究に対応しています。大阪臨床研究ネットワーク(OCRネット)で2013年から運用いただいているCDCS(Clinical Study Data Collecting System)導入で得た知見をもとに、必要な機能を絞ってクラウド版の多施設臨床研究支援システムを開発しました。WINEs-R(Wise Input Navigation and Entry system Registry:ワインズアール)と名付けました。

概要(想定する研究と費用)

データ収集期間3年間(研究期間全体)以内
施設数30施設以内
ユーザ数100ユーザ以内
症例数3,000症例以内
データ収集項目150項目以内
費用300万円 *アカデミア特別価格

研究の規模、期間と費用感は上記になります。臨床研究ごとに見積を行います。

特徴

  • 3年間、3000症例、30施設、100ユーザで、300万円でのサービス提供を目指しています。OSS(オープンソースソフトウェア)を使い、セキュリティに配慮しながら、安価にサービス提供しようと考えています。
  • 実用的なeCRF(eCRF:electronic Clinical Report Form電子症例報告書)の入力バリデーションおよびデータ出力ができるシステムです。

対象研究

臨床研究のうち、GCP準拠が求められる介入試験、治験ではなく、観察研究の中でもレジストリ研究を対象としています。下記の黄色の研究が対象です。

システム構成

システム構成は下記の緑のソフトウェアで構成されます。クライアント端末は Windows 11 を前提としています。クライアント端末を準備いただき、症例登録専用ソフトをインストールします。サーバは国内クラウドを使用します。サーバ証明書、クライアント証明書を使用します。

セキュリティ対策

mTLS(相互TLS認証)について

本システムでは、通常のHTTPS/TLS通信に加え、クライアント証明書による「相互TLS認証(mTLS)」を採用しています。これにより、サーバだけでなく接続する医療機関端末側も認証され、許可された端末のみがシステムへ接続可能です。

患者IDと匿名化ID(被験者番号)の管理は以下です。

  • 患者IDと匿名化IDの対応表のクライアント側保管:患者IDと匿名化ID(被験者番号)の対応表は、クライアント側(医療機関側)にのみ保管します。この対応表はクラウド側には送信しません。
  • クラウド側への送信データ:クラウドへは匿名化ID(被験者番号)のみを送信し、患者を特定できる情報は含まれません。患者ID対応表をクラウドへ保存しないことで、患者特定リスクの低減を図っています。

アクセス方法、認証方式

アクセス方法Webブラウザによる管理機能+症例登録専用ソフト(eCRF登録)
認証方式クライアント証明書認証(mTLS)およびID/パスワード認証
データ保存先国内データセンターにて保管

導入スケジュール(目安)

フェーズ期間主な作業
要件定義3〜6週間収集データ項目・画面設計・研究計画書等の資料確認
環境構築3〜8週間サーバ構築・設定、症例登録専用ソフトのインストーラー作成、eCRF(テンプレート入力画面)作成
証明書発行3〜6週間クライアント証明書発行・臨床研究事務局へ配布・インストールサポート
動作確認・検収3〜6週間動作確認・受入テスト(ユーザ様での動作確認)
本番運用開始研究開始に合わせる運用開始・ヘルプデスク対応開始
導入スケジュール例です。臨床研究ごとに相談させていただきます。

運用想定

臨床研究事務局の方が症例登録専用ソフトの配布、ID/パスワードの配布、一次問い合わせ対応を行う想定です。データ出力は統計解析担当の方が行っていただく想定です。

eCRF 機能仕様 入力バリデーション

電子症例報告書(eCRF:electronic Clinical Report Form)の基本的なデータ型・範囲チェック

  • データ型チェック:数値項目に全角文字やアルファベットが入らないように制限します。
  • 範囲チェック(Range Check):医学的にあり得ない数値を入力不可とします。例えば、血圧(収縮期)が 0 や 300 を超える値、身長が 300 cm を超える値など。
  • 必須項目チェック:解析に不可欠な主要評価項目(Primary Endpoint)が空欄のまま保存されるのを防ぎます。

医学的論理チェック(ロジカルチェック)

  • 日付の前後関係:時系列の矛盾をチェックします。例えば、「同意取得日 ≤ 観察開始日」「手術日 ≤ 退院日」をチェックします。
  • 派生計算の自動化:例えば、身長と体重から BMI を自動計算し、手入力による計算ミスを排除します。
  • スキップロジック(条件付き表示):詳細項目を条件付きでスキップしたり、表示させたりできます。例えば、「合併症:あり」を選択した場合のみ、具体的な合併症名の入力欄を表示します。「合併症:なし」を選択した場合は、不要な入力欄を隠すことで、誤入力を物理的に減らします。

データ出力について

  • 入力データは汎用的な CSV ファイルとして抽出可能です。R・SAS・SPSS など主要な統計解析ソフトウェアへそのまま読み込めるため、データ変換の手間なく解析作業に移行できます。
  • 選択肢をコード化された値として抽出できます。例えば、男を M、女を F などです。これにより、統計解析ソフトへの取り込み時にラベル付け作業が不要となり、解析担当者の工数を削減します。

制限事項

機能を絞ることで費用逓減を実現しています。以下の機能は対応していませんので制限事項になります。データ収集項目が固定されたレジストリに特化することでコストを抑えています。運用開始後の項目追加等のフォーム改版は原則行わない前提です。また弊社でのサポート体制を勘案して、eCRF症例登録時間を午前7時から22時までとさせていただきます。

  • フォーム改版(eCRF の変更)非対応:運用開始後のフォーム改版(eCRF の変更)には対応していません。
  • ER/ES 指針や 21 CFR Part 11 に準拠した監査証跡(Audit Trail)機能には対応していません。そのため、治験や厳格なGCP準拠が必要な試験用途は想定していません。
  • サポート体制および保守運用体制をふまえ、eCRF症例登録時間は午前7時から22時を想定しています。

導入実績

2025年より国立病院機構様で28病院、約100ユーザを対象とした臨床研究で導入いただき稼働しております。また同一技術基盤を利用したシステムを大阪大学病院様、その他の大学病院2病院、市立医療センター1病院で導入いただいております。

操作イメージ

多施設臨床研究支援システム(WINEs-R)の操作イメージです。糖尿病レジストリ臨床研究で、テンプレートは「患者情報、糖尿病情報」「バイタル、検査、治療、合併症」「フォローアップ」から構成される場合の操作イメージです。

患者一覧画面

症例登録専用ソフトでログインすると、患者一覧画面が表示されます。患者IDと患者氏名はクライアントのみで表示され、クラウドには送信されません。被験者番号(匿名化ID)がクラウドに送信されます。この画面で患者IDと被験者番号(匿名化ID)の紐づけ、症例登録の進捗管理ができます。

テンプレート一覧画面

患者を選択すると、テンプレート一覧画面が表示されます。入力すべきテンプレートが一覧で表示されます。例は「患者情報、糖尿病情報」「バイタル、検査、治療、合併症」「フォローアップ」が表示されています。

テンプレート入力画面

テンプレートを選択するとテンプレート入力画面が表示されます。例は「患者情報、糖尿病情報」テンプレートが表示されています。